マー君(原作)
パソコンはすぐ後にある。

今良一はデスクの上にいる。

謎の黒い手は徐々に正体を表していく。

ギギギギィという耳障りな音を立てて、その正体が現れた。

顔が見えた。

その顔には仮面が付けられ、血が滴り落ちている。

そして背中が、次に腰が、足が、そしてついにデスクの下にそれは姿を現した。

「それ」は人間ではなかった。

全身真っ黒で、仮面をつけた顔だけが白かった。

その仮面は血で塗られ、気味が悪かった。

そいつは、ゴキゴキギギギと全身の骨を鳴らしながら、ゆっくりと立ち上がった。

そして、良一の前に立ちはだかった。

首を下に垂らし、直立している。

両手はだらりと下に垂れている。

その両手には人間の首が握られていた。

髪が長い物が一つ右手に、短い物が二つ左手に握られている。

のこぎりで切ったのか、首の付け根からドロドロと大量の血が滴り落ちている。

と、突然首がゴキゴキゴキと音を立てて回転しだした。

良一は唖然として、その姿を見ていた。

マー君らしき、それは首を回すのをやめると、顔をこっちに伸ばしてきた。

まるでゴムのように首が伸びる。

そのまま固まっている良一の前で止まった。

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