マー君(原作)
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マー君プロジェクト。
でかでかと黒板に書かれた文字。その前に立つ白い仮面をつけた少年--マー君。彼は黒板の前をゆっくり歩きながら、話しだした。
「この計画は、荒らし、つまりマー君に敵対する者をデリートすることが前提とされる。
マー君は世界を再構築する上で、彼らの存在を消すことを決めた。
--僕らマー君信者はネットを通してマー君に認められた者だ。
新しい世界--誰もが人を思いやれる世界を創るため、僕らは立ち上がった。
この力を、手に入れ、マー君になることで」
仮面に手を宛て立ち止まる。床に座り込んでいる桂子の前で--。桂子はこっちを見下ろす自分の生徒を見上げた。
金田は腕を組み、片手を仮面に宛てている。何を企んでいるのかしきりに肩を震わせている。
「クククク、でもねこれはマー君プロジェクトの第一段階でしかない。第一段階は既に完了した」
金田が話し出してから、場はただならぬ雰囲気に包まれていた。誰も動けない。いや動こうとしない。彼の話に引込まれている。
桂子もそうだった。持っているテープデコーダーの存在も忘れ、目の前に少年の話に集中していた。
マー君プロジェクト。
でかでかと黒板に書かれた文字。その前に立つ白い仮面をつけた少年--マー君。彼は黒板の前をゆっくり歩きながら、話しだした。
「この計画は、荒らし、つまりマー君に敵対する者をデリートすることが前提とされる。
マー君は世界を再構築する上で、彼らの存在を消すことを決めた。
--僕らマー君信者はネットを通してマー君に認められた者だ。
新しい世界--誰もが人を思いやれる世界を創るため、僕らは立ち上がった。
この力を、手に入れ、マー君になることで」
仮面に手を宛て立ち止まる。床に座り込んでいる桂子の前で--。桂子はこっちを見下ろす自分の生徒を見上げた。
金田は腕を組み、片手を仮面に宛てている。何を企んでいるのかしきりに肩を震わせている。
「クククク、でもねこれはマー君プロジェクトの第一段階でしかない。第一段階は既に完了した」
金田が話し出してから、場はただならぬ雰囲気に包まれていた。誰も動けない。いや動こうとしない。彼の話に引込まれている。
桂子もそうだった。持っているテープデコーダーの存在も忘れ、目の前に少年の話に集中していた。