マー君(原作)
ふと片手を上げる。それを合図に、坂井の周りにいた女子数人が彼を取り押さえた。その行動に周りにいた生徒や教師が驚く。

気付くと生徒の何人かが白い仮面をつけ、坂井を囲むように立っていた。

「僕は君をマー君にしない。君のようなクズは--」

坂井に背を向け、上げていた手を下ろした。その瞬間、坂井の目の前に立っていたレベルMのマー君が長い腕を一気に伸ばし、彼の首を掴んだ。

「いや、だ、いやだ、いやだいやだいやだ! 僕は--」

次第に首を絞める力が強まり、坂井の声が小さくなる。

レベルMは「デリート、デリート」と呟きながら、坂井を持ち上げる。彼の短い脚が宙をぶらつく。

その光景を、桂子はただ見ているしかなかった。自分の生徒が殺されそうになっているのに--。誰も動けない。マー君に囲まれて--。

「先生、わかったでしょ? 僕の本性が。僕が本当はどんな人間か!」

「やめ--」

「デリート、コンプリート!」

桂子の言葉を遮り、金田がそう叫んだ瞬間、教室に鮮血が飛び散った。レベルMが坂井の首を一気に握り潰し、そのまま切断したのだ。

「これで、第二段階完了だ。この瞬間全国の荒師が一斉デリートされた」

ゴロッ。

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