マー君(原作)
そんな良一が志保に接触できたのは、大学の男友達に頼んで、無理に志保のメルアドを聞き出したからだ。

しかし、いざメールをしてみるとうまくいかないものだ。

二人ではメールがうまく回らず、志保の提案でこのチャットに書き込むことになった。

そのため、今すぐに返事を書くわけにはいかなかった。

もう一人チャットに加わるのを待った。

すると、しばらくしてもう一人参加してきた。
 

AI> 俺も、あんまり知らない。

 
それを見てから、良一は凄いスピードでキーボードを打った。

そして、三秒とたたないうちに、パソコンに新しい文字が現れた。

 
アツシ> マジー、皆知らないのかー^@^

 
こうしてチャットをしていると自分を忘れられた。

こんなダサい自分でも、この文字の世界では誰よりも格好よく思えた。

また、もう一人参加してきた。

これで四人全員揃った。

その上、四人目はよい知らせを持ってきた。

 
バッハ> 私、知ってるよ、一つ。

アツシ> なになに?

 
良一はバッハの文字が現れたすぐ後に文字を打ち込んだ。

この特技は誰にも負けたくない。

取り柄の無い自分だが、これだけはピカイチだ。
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