淡い初恋
だけど、ここでも龍くんは目立っていたため周りに好機な目で見られた。「ねぇ、彼氏の方超格好良い~!」とか「あんな格好良い人、うちの学校にはいないよね~。」とか口々に言うのは全部龍くんのことだった。でも、ひそひそ話が私の方まで聞こえてくる位だから絶対龍くんの耳にも入っているはずなのに彼は気づいてないのか全く動じない。だから私も気にせず龍くんの話に耳を傾けていると突然横を通り過ぎた女の人に「なんだよ、ダサイ女じゃん。」と言われた。

私は、聞こえるようにわざと言われたことにショックが隠せなくて俯くと、飲み物を持って、ひたすら飲み続けた。傷ついたことを誤魔化すように、平気な風を装ってひたすらコーラを飲み続けた。するといきなり龍くんが「それ、何飲んでるの?」と聞いてきた。

「え?」私は龍くんの方を見上げると「え?コーラー・・・」と言った。でも、さっきもそんなこと聞かれなかったっけ?と思っていると「へぇ、飲んでも良い?」と聞かれた。「え、あの。」だって、龍くんだって確かコーラだって言ってたのに、と思っていると彼は強引に私の飲み物を奪い、ストローに口つけ、コーラを飲み始めた。

えええ~!関節キス!!
ほぼ同時に周りにいた女性客からも歓声が上がった。「あ~、やっぱコーラは最高だな。」言うと彼は飲み物を返し、自分のコーラを飲み始めた。突然の衝動に頭が混乱状態に陥った。「龍くんのと変わんないのに・・・・。」とつぶやくと「希のコーラも飲んでみたかったんだよ。」と言われた。

う~訳分かんないよ。でも、このストローに龍くんが口つけたってことは今度は私が間接キスをする番!!うわー嬉しいけど恥ずかしいよ!龍くんのバカ。私は自分のドキドキを隠すように、平然を装い、恐る恐るそのストローに口つけた。龍くんが見てる気がしたけど何も言ってこなかったから良かった。これで、からかわれたら私、顔から火が出るよ、きっと・・・。
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