淡い初恋

正直、なんでそこまで早坂さんに嫌われてるのか分からなかった。だって彼女は私と違って才色兼備で超がつくほど可愛いくてスタイルも良くて頭も良い。良いとこのお嬢様だし、私の方が羨ましい位よ。なんでなの？私が龍くんと付き合ったから？でも、結局は奪ったじゃない。だから満足でしょ？なのに何が不満なの。意味が分からなかった。

龍くんもやっぱりそうゆう子の方が好きだったんだね。私なんかよりずっとずっと早坂さんの方がお似合いだよ。だったらなんで最初っから彼女と付き合わなかったの？そうすれば私はこんな痛みを受けることもなかったのに。

数日経って今習ってる古典の影響なのか、龍くんには『光源氏』とアダ名が付けられるようになった。超イケメンエリート貴公子。確かに彼は、その作品のように光り輝き、どんな女性をも魅了した。また、彼は光源氏のように早坂さん以外の人とも付き合い始めたようだった。


私だけが惨めになっただけだった。龍くんは、平然とし私のことも忘れて恋愛を楽しんでるようだった。本当に不遜でバカだった・・・。彼にも嫉妬させて困らせて苦しませようとしたのに結局それが自虐行為になった。龍くんは私が思っている以上に私のこと好きではなかったみたい・・・・。

高校に行くたび、何度も何度も龍くんが他の女性と一緒にいるところを目にした。それを見るたび胸が苦しくて心が張り裂けそうでいっそのこと死んだ方が楽になれるんじゃないかって思った。彼はもう二度と私を見ない。

欲を出した私がいけなかった。まだ、自分が桐壺の更衣の時の方が良かったよ・・・。