淡い初恋
アパートに入り、リビングに案内すると急に後ろから抱きしめられた。
「希・・・・。」久々に聞く龍くんの甘くて低い声。私は、嬉しさのあまり涙が滲んだ。彼は、私を自分の方に向かせるとそのままキスをしてきた。

最初は喰むように優しいキスをされると、徐々に口内に舌を入れられ、かき回され、私はその快感に耐え切れず少しよろけると龍くんの逞しい腕が私の体を支えた。唇が離れるとお互い見つめ合い、ゆっくりとその場に座ると龍くんが私の着ている服を脱がし始めた。

私は思わずぎゅっと目をつむると唇にキスをされ、気づくと上半身を覆ってるのがブラだけとなった。彼は、私の小さな胸にキスをすると慣れた手つきでブラのホックも外した。「いやー恥ずかしい!」と両手で胸を隠しながら私が叫ぶと龍くんが少し笑った気がした。彼も自分の着ていたT-シャツを脱ぐと、鍛え上げられた上半身が露わになった。

窪んだ鎖骨、少し盛り上がった胸筋に6つに割れた腹筋。ひゃーーー!!見ているだけで興奮度が増し、私の顔は更に赤面した。龍くんは、ゆっくりと私の両腕を外すと露わになった私の胸を見下ろした。恥ずかしくて顔を逸らすと龍くんはそれ以上触れずに背を向けた。

え?不審に思い、彼の方を見ると龍くんは「ごめん、無理だ。」と言って、T-シャツを着始めた。

一瞬何を言われてるのか理解できなかった。無理って。私を抱けないってこと?そのセリフに大分ショックを受けた私は、「な、なんで?」と声を振り絞って聞いたけど龍くんは黙り込んだままだった。
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