淡い初恋

私の瞳から一筋の涙が頬をつたった。「なんで、無理なの？もしかして他に好きな人がいるの？」と聞いた瞬間、私はハッとした。「もしかして、ユリさん・・・・？」だけど彼は背を向けたまま応えない。

やだ、せっかく龍くんと寄りを戻したのに。こんなのヤダ。
私は、必死にすがるように謝った。「もしかして、あの時のことまだ怒ってる？私がずっと避けてたこと。あれは、私の誕生日に早坂さんと龍くんがいっしょにいるところを見かけて、浮気だと勘違いしたの。それで嫉妬してたの。」と嗚咽混じりに説明すると「うん、知ってる。」と冷たい声で返事が返ってきた。

「龍くん・・・。ごめんなさい・・・」
私はその場で泣き崩れると彼はそのまま立ち上がって、リビングの扉のドアノブに手を掛けた。
　「龍くん！」

「気づかなかった俺も悪かったけど・・・そのこと、希の１６歳の誕生日に聞きたかった。」と言うと扉を開け、私のアパートから出て行ってしまった。

龍くん・・・・・！！