淡い初恋
帰り道、嫌な光景が目に入った。
コンビニに寄った後、駅に向かおうとして大通りに出ようとした時、あのカップルが目に飛び込んできた。
「俺が教えてやろうか?」と彼女を抱き寄せ彼がからかうように聞いていた。
「い、いらない。一人で勉強するから。」とすぐさま彼女は応えた。「なんだよ、遠慮するなよ。」と一瞬彼は不機嫌になると「違くて・・・。」と彼女は口ごもった。
「じゃぁ、なんだよ。」と痺れを切らして彼が聞くと、「龍くんといるとドキドキして勉強に集中出来ないから。」と口を尖がらせ彼女は応えた。すると千堂くんは、道端で急に高梨希を抱擁した。「キャ~!やめて~。」と彼女の照れ隠しの声がこっちまで聞こえた。「やーだよ!」と言って無邪気に笑う彼の顔をこの時初めて見た。
私はそれ以上見ていたくなくて目を逸らした。胸がギュゥっと締め付けられそうになるのを手で抑えて痛みを堪えた。あの笑顔を私にも向けてくれたら・・・私は他に何も望まないのに。1位だって興味ない。家族だってどうだっていい。あなたさえ私に振り向いてくれれば・・・
コンビニに寄った後、駅に向かおうとして大通りに出ようとした時、あのカップルが目に飛び込んできた。
「俺が教えてやろうか?」と彼女を抱き寄せ彼がからかうように聞いていた。
「い、いらない。一人で勉強するから。」とすぐさま彼女は応えた。「なんだよ、遠慮するなよ。」と一瞬彼は不機嫌になると「違くて・・・。」と彼女は口ごもった。
「じゃぁ、なんだよ。」と痺れを切らして彼が聞くと、「龍くんといるとドキドキして勉強に集中出来ないから。」と口を尖がらせ彼女は応えた。すると千堂くんは、道端で急に高梨希を抱擁した。「キャ~!やめて~。」と彼女の照れ隠しの声がこっちまで聞こえた。「やーだよ!」と言って無邪気に笑う彼の顔をこの時初めて見た。
私はそれ以上見ていたくなくて目を逸らした。胸がギュゥっと締め付けられそうになるのを手で抑えて痛みを堪えた。あの笑顔を私にも向けてくれたら・・・私は他に何も望まないのに。1位だって興味ない。家族だってどうだっていい。あなたさえ私に振り向いてくれれば・・・