淡い初恋

私は、勇気を出すと「織姫と彦星はどうかな・・・」と遠慮がちに応えた。一瞬にして周りが、え！？という雰囲気になった。「そりゃぁ、またロマンチックだねぇ。」と北沢くんがフォローするが「雨降ったら天の川が大洪水するから会えないとか発表でもするわけ？」と千堂くんの右隣の子に言われてしまった。「え～なんか、あるかな。ロマンチックで良いかもしれないけど。」と千堂くんの左隣の子は賛同してるけど私の右隣の男子生徒は黙ったまま。

すると千堂くんが「ベガとアルタイルのこと？」と聞いてきた。私は、コクンと頷くと「面白いかもな！」と言ってきた。え！？当の本人が驚いていると「じゃぁ、それにしよう！」と千堂くんが言ってみんなを纏めた。

え！？良いの！？と戸惑っていると「まず、ベガとアルタイルの距離を調べようか！」と千堂くんが言ってきた。じゃんけんで私と北沢くんが負けたため二人で図書室に行くと宇宙の本を探し始めた。資料を何冊か持っていると「大丈夫か？」と北沢くんが聞いてきた。「え？」と聞くと「いや、重そうにしてるから。」と彼は言うと頭をポリポリ掻いた。「あぁぁ。」私は間延びした声になると「大丈夫！」と笑顔で応えた。彼は、ちょっと驚いた顔になったけど「そっか、なら良いんだ。」と返事をした。

「あの！」と私から彼に話しかけると「私の考えた案で通っちゃったけど本当に良いのかなって。みんなの前で恥かかないか心配なんだけど・・・。」と思ってることを口にした。すると彼は笑顔で「え？ロマンチックで良い案だと思うよ笑。それにあいつがいるし。」と言うので「あいつ？」と聞き返すと「龍之介がいるからうまく纏めてくれるよ。」と言うと私の頭をポンポンと叩いた。

え？と驚いていると「じゃぁ、行くか！」と言ってきたので私は動揺を隠すように「う、うん！」と応えた。びっくりした、まさか頭を触ってくるなんて。でも、北沢くんは社交的だからそうゆうこと平気でするのかも。でも、びっくりした。北沢くんのことなんとも思ってはいないけどでも異性に触られるのってドキッとするなぁと思った。