深層融解self‐tormenting◆番外編◆
元々学校には行ってもいない俺だったが、夏休みが終わると相変わらず桜空は真面目に学校へと通うようになった。


仕方なく俺も桜空を守るために学校へは行く。


毎朝桜空の家の前まで単車で来て、それから桜空を乗せてから行きたくもねぇ学校へと通っている訳だ。



だが二学期が始まって暫くしたある日、まだ制服に着替えてない桜空が家の玄関から出てきて「今日ハ学校へは行けないノ…」と、申し訳なさげに頭を傾けた。

謝罪のポーズなんだろうがいちいち可愛いんだよお前は。



「なんかあったか?」



桜空はウン、と頷き俺の手を自分の額に押し付けた。


「熱がアル。多分風邪ネ。病院に行ったらすぐ治るヨ」




心配だから俺が着いていくと言って粘ったが、桜空の母親にすごい目をしてまたもや追い払われてしまった。


桜空がいない学校に行く気などない俺は、チームの溜まり場に足を運んだ。



春臣は珍しく学校に行ったらしい。



溜まり場の前に来ると、何だか知らないが下のヤツらが入り口の前で右往左往して焦っている。


何だ、どっかのチームでも攻めてきたのか?



桜空と一緒に居られなくてちょうどモヤモヤしてたとこだ、暴れていいなら暴れてやんよ。




勢い込んでガラリと扉を開けたら、そこのいたのは……意外な人物。
< 116 / 174 >

この作品をシェア

pagetop