オトコの娘。*彼氏、ときどき、女の子!?*
恋にも人間関係にも挫折し、すっかり自信をなくした今のあたしには、1人で寂しくクリスマスを過ごすのがお似合いのように思う。
というか、一晩中泣いて、まぶたが大変なことになっているのだけれども、果たして外に出ても大丈夫な顔をしているのだろかね、あたし。
怖くて鏡が見られない……。
「でもまあ、いっか」
うん、うん、問題なんてない。
どうせ今日は部屋から出るつもりはないし、2~3日だっらたら、買い物に行かなくても困らないくらいの食料は冷蔵庫にあるし、幸い、次にバイトに入るのは4日後だし。
あ。
「バイト、かぁ……」
昨日、葉司にも言われたけれど、茨城先輩の本性を知ってしまった今、やめるか、しばらく休ませてもらうか、どっちかだろうなぁ。
どっちにしても、早く決めないとお店に迷惑をかけることになるし、気に入っていたけれど、その結論も早々に出さねばなるまい。
そうして、寝不足でぼんやりしている頭でバイトのことを考えはじめていると……。
ピンポーン。
インターホンが鳴った。
「奈々ぁ、ちょっと聞いてよー!」
もうね、頭が変になっているのよ、あたし。