オトコの娘。*彼氏、ときどき、女の子!?*
車が見えなくなるまで見送ると、あたしはそそくさと部屋に戻り、1人考えはじめる。
メルさんは、あたしが答えを出すのは急いだほうがよさそうだ、と言っていたのだけれど、そんなことを言われたって……というのが、今のあたしの正直で率直な気持ちだ。
こればっかりは、竹山のことをどう思っているか、という葉司のナイーブな部分の気持ちもあることだから、あたし1人の気持ちだけではどうにも答えが出しにくく、突っ走れない。
「ぬわぁぁっ!!」
けれど、葉司が竹山と×××な場面を想像しようものならこの通りの悶絶ぶりだし、絶対にそんなことにはさせたくないと思うのも本当だ。
葉司同様、こちらもナイーブな話題である。
ああ、もう……。
「メルさんめ、あたしにどうしろっていうの!!」
適当にあったクッションをわしづかんでそこら辺に投げつけ、ついにあたしは逆ギレる。
しかし、そうしたところで答えが出るはずはなく、あたしの気持ちは、葉司とこのままつき合うか否かを悩んでいたときの“分からない”という気持ちに、立ちどころに戻っていった。
早く答えを出さなければ葉司の身が危ないのは重々承知しているのだけれど、あたしは当分、答えを出せる気がしない……。