HINEKURE～十二神将の巻～

侫歌が
（失恋ってわけ。マジだったの。つうか、この人本当に十二神将なわけ??）
と目の前にいるサタンを見つめる。

優輝はそのまま思考停止し続けた。
陰が中から呼び掛ける
「オイ!!…オイ!!
ダメだな。」
と息を吐く。
戻って来た陽さんが
「どうかしたんですか。」

「ちょっと…な。初体験ってヤツかな。ククク。」

陽さんは意味が分からないみたいだった。

彩乃は一人屋上を後にして、校舎の裏の林で木によりかかって立っていた。
（最初は……ただ助けられただけで、ヤマトノオロチとの闘いや一緒に住んでいる内にいつの間にか私の中でアイツの存在が大きくなっていった。
それで、アイツがあんなに苦しんでいるのを見たら、あんなこと……。）
顔が真っ赤に染まっていく。
（私～～……アイツのこと……どうしよう。）
と、いつも冷静な彩乃らしくない思考だった。


優輝は固まったまま
（まず彩乃のに抱き締められて、
俺が泣いて
彩乃のが「大丈夫」って言って
顔抑えられて、「勇気」って
その後、唇に……）
優輝の顔が真っ赤になって煙が上がる。
（うわうわうわ!!）
陰が
「大丈夫か??コイツ。」