HINEKURE~十二神将の巻~
優輝が
「一緒に………帰…る…か??」
ととぎれとぎれ言う。彩乃も顔を伏せて、うなずく。彩乃の耳が赤いことに気がつく。


彩乃と二人で何も喋らずに黙々と歩く。
(何話せばいいんだろ??)
彩乃が突然
「さっきニケルに会った。」
優輝が
「ニケル??」
彩乃が優輝の手をいきなり握る。
彩乃が
「どんなヤツ??」
陰が
『まぁ~、変なヤツだな。』
陽さんが
『ナルシストですね。かなりの。』
彩乃が
「……やっぱり。!!ごめん!!いきなり手握って!!」

「いや大丈夫。」
二人とも顔が真っ赤だった。
陰はひたすら笑い。陽さんは
『なんかラブコメですね。』
と笑いを堪えていた。いつもの冷静なしゃべり方じゃない彩乃が
「このまま……」
と小さく何かを言った。優輝は聞き取れなかったが、そのまま二人は手を握って帰った。二人の顔はその日のキレイな夕日の空よりも真っ赤に染まっていた。
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