HINEKURE~十二神将の巻~
「母さんから受け継いだ力を侮らないで…。」
陽さんが
「なら、見せてもらいましょうか。その受け継いだ力とやらを。」
と言って、薙刀の霊剣を形成し構える。
心の中で陰が独り言のように
『陽さんはまじめだな~。まじめすぎるせいか、人の心ってのに鈍い欠点もあるけど……まぁ~その純粋だからな。ククク。』
隣りにはこの体の主、いやこの陰陽を司る神をも従える主の半分が寝かされていた。
そいつをチラッと見て
(自分の存在の意味か~、
この世界にそれを答えられるヤツなんかいない。
けど……十三番目としての存在理由……
我が主が半分にわけた同じ理由
それを知った時……)
フッと悲しそうな瞳が下を向く。
陽さんと彩乃の修行にまた目を向ける。

陽さんの薙刀の刃に白い光が宿る。
その薙刀彩乃の雷剣にぶつけると、雷剣が粉々になり彩乃が吹っ飛ぶ。陽さんが
「貴方のその刀は中身がスカスカです。もっと力を込めなさい。」
彩乃は起き上がると同時にまた雷の剣を形成する。さっきのとは違い、雷剣が大きく巨大になっている。
陽さんが薙刀の刃じゃない部分を地面につける。
< 34 / 46 >

この作品をシェア

pagetop