犬と私の物語
雪は驚いた。なぜなら今まで動物を買いたいというと猛反対したからだ。

雪が言う。
「お母さんが、ウソ、だって私が今まで動物を買いたいって言ったら反対したじゃない」


雪は子供のころから動物が大好きだったが、買わせてもらえずよく泣いていた。
あるのは子供のころ買ってもらった、パンダのぬいぐるみだけだった。


今ではぼろぼろになってしまったが、今でも大切にしていた。寝るときはいつも抱っこしていると安心して寝ることができた。雪は動揺していた。


そんな姿を見て、恵は後悔しながら雪に行った。
「雪、聞いてちょうだい。お母さん、本当は動物が大好きなの。ただ、子供の頃、おじいさんにもらった黒い子犬を事故で無くしてしまったの。そのときペットレスになって、もうあんなことは、動物は一切飼わないって決めたの。雪、本当にごめんね。私の至らなさのためにあなたに苦労をかけてしまったわ…」
そう言って、恵は左手で涙を拭った。

雪はやっと母の心情を理解できた。確かに雪とて、今拾ってきた子犬が事故死などしたら生活どころではないだろう。そう思うと母を心底可哀そうだと思った。


雪は言う。
「お母さん、泣かないで、その気も言いたいほどわかるよ」
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