犬と私の物語
自分の性格が分かっていたし、これまで何度「明るく活発な子になれたらいいなぁ」とは思っていたが、出来なかった。
まぁ、人の性格がそう簡単に変えられるものなら誰でも苦労はしないが・・・。
だから、そういう子がいると内心悔しかった。
「あ~あ、もっと積極的になれたらなぁ・・・。またいつものように片想いで終わるのかなぁ・・・。あの人は一体どういう人が好きなのかなぁ~?もしも私が告白したら・・・。」
顔が真っ赤になり、ドキドキしながらそう低い声、で独り言を言った。他人が見たら危ない子に見られるだろう。そして、言葉が誰にも聞かれてないか辺りを見回し、誰も聞いてないことに安堵した。
校内に昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った。
今日も一日疲れる授業を終えて、下駄箱から靴を取り出し履く。
帰ろうとした時、廊下から好きな男子が仲間、を連れてやって来た。
一瞬、彼とすれ違い心臓ごドキドキして顔が真っ赤になった。
男子達は笑いながら去っていった。
「フゥ・・・。」
雪は胸に手を当てて落ち着こうとした、胸が苦しかった。