犬と私の物語

「多分、捨ててこいって言うだろうなぁ・・・・・・。」


時刻はもう夕方の五時半を過ぎていた。途中コンビニに寄って、子犬をドアの近くて座って待っててと言うと、素直に座って待っている。

しかし、正直どこかに行かないか、誰かについていかないか心配した。すぐパンと牛乳を買ってドアを開けてみるとちょこんと座っていた。


道行く人が、雪と子犬を見て暖かく微笑んでいた。家の近くにある公園で子犬を起こし、食事を与えていると、一人、の男性がこちらに近づいてきた。

雪は一瞬、ヒヤリとしたが、その人物は、片思いの子だった。




彼は、ツカツカとやってきて言う。
「こんばんは!確か宮下さんだよね。その子犬、可愛いね。散歩してるの?」



雪はドキッとした。



「うん、さっき野原でひとりぼっちだったんだ…。」



前田洋介は「ハッ…!」とした。
「さっきって……?まさか拾って来たのか?だってお前今、受験中だぞ!?」
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