黒蝶は闇で輝く
 


神永組は、元々西側を拠点としていた組。

でも30年くらい前に、私のおじいちゃんの代で神永組は御堂組に吸収された。
御堂が一番勢いづいてた時で、東では絶対的だった。そんなとき、おじいちゃんは西側も吸収しようと、手っ取り早く西のトップに君臨していた神永を潰しにかかった。

4年かけて、御堂は神永を追い詰め、吸収した。…はずだった。

話によると、生き残ったごく僅かな神永組の人間が、御堂に潜入して、ちょっとずつ資金を貯めて静かに静かに、神永を立て直したらしい。

言ってしまえば、神永は寄生虫だ。
喰ってやったと思っていた御堂の中に住み着き、ちょっとずつ必要なものを奪って、時期に御堂を食い荒らす。
そう思っていたが、神永は目立った行動はせず、未だに御堂の中のどこかにいる。

組織が大きくなりすぎるのも問題だと、この時に思った。



〖…お嬢、どうする?〗

〖とりあえず、わかりやすい行動は避けた方がいいと思います。〗

〖まだ寄生虫はほっとくつもりか?〗

〖はい、今は…先に、ここ5~6年の間に関西支部各所に新しく入った組員のリストを貰うことってできますか?〗

〖……そーいうことか。〗

〖詳しくはまた帰ってきてから話します。お昼休みなくなっちゃうので…〗

〖では…失礼します。〗



関西支部の浪費が目について来たのは5~6年前くらいから。
注意してみていたけど、ここ最近で酷くなったから寄生虫はそろそろ独り立ちの準備を始めたんだと思う。

神永の本拠地は京都で京都の人間は頭がいいから、寄生虫が全てではないはず。
御堂の中の複数の寄生虫の他に、外にも人がいるはず。

私が思うに、だけど。
神永は外から、御堂の中に人を取り込んでる。表向きは御堂に、実際は神永に。

神永の寄生虫本体は見つけられなくても、後から中に入った分だけでも見つけられれば大きいことだと思う。



──キーンコーン…



「……あ、」

「シンさんも悪気はなかっただろーけどな?」

「…慧なんで嬉しそうなの?」

「別に?麗可哀想ーって思ったらこんな顔になっちゃった。」



お弁当、食べれなかった…。




 
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