赤い糸の約束
「何か、御用でも…?」
「え、いや…」
曖昧な返事を返してしまった俺に呆れたような視線をよこす。
そしてその視線は掴んでいる腕へとたどり着いた。
まるで、「離せ」と言われているようだった。
俺は何事もなくその腕を離した。
もし、この時腕を離さずに謝っていたら、戻ってきてくれとあいつに言っていたら、俺はあいつのあんな顔見なくてすんだのだろうか…
あいつは今俺の目の前にいるようで、すごく遠い…
平助side*end