赤い糸の約束







月華の兄はそう言ったものの凄く悲しい顔をした。



だが、月華は気付かないようだ。



いや、
気付いてはいけない、その奥に隠された感情を、




気付かせてはいけない。



「兄様!!!」


信じられない月華は泣き叫ぶ。



月華の兄はあのままの表情のまま俺等に背を向ける。



「次会う時は、殺し合いになるだろう」


その震えた声は今まで聞いた事ないくらい悲しかった。



「月夜っ!!!!!」



兄の名を呼ぶ月華の声も痛いくらい悲しかった。







月は泣き崩れていく月華を笑っているようだった。





平助side*end








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