赤い糸の約束






月華side




私は兄を追いかけることすらできなかった。


「ふぇ…ふぅ…ヒックッ」


何で?

何で時斗といるの?

時斗側って何?



「月華…」


平助が私に話しかけてくるけど何も言えない。


それでも、平助は続ける。



「きっと苦しいのはお前だけじゃない。」


「え…」


「男にしかわからない、苦しみ。」



平助の言っている意味がよくわからい。


男にしかわからないって何?


女の私には解からないってこと?



「深く考えないで…。」



そう言った平助は泣きそうだった。


私はそんな君の顔を見たくないよ。


考えない、から。


そんな顔をしないで…










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