タイムカプセル

アカシ

あたしがみんなに連絡したのって確か10日くらい前だったと思う。
あんまり人が集まんなくて、10人くらいでタイムカプセルを埋めた筈なのに来るって言ってくれた子はたった4人。
あたし入れて丁度半分じゃん?
まぁ、しょうがないよね。社会人になると学生の時みたいにみんながみんな、集まることなんて不可能に近いもんね…って自分に言い聞かせてみるけど、半分しか集まらなかったってのは、ちょっとね…。

まずは自己紹介するね。
あたしが噂のアカシ。明石 恵。至って普通の名前です。
男子の誰かがアカシって呼び出して、アカシっていうのが定着しちゃったけど、一応あたしも女子だし、本音を言えば『メグミ』って呼ばれたかったな(笑
今更だけどねぇ〜。
明るく活発な普通の女子です!
みんな『男勝り』って言うけど、そこだけは訂正してよね!

あたし、同窓会実行委員だし今日は早めに着いたのに、もうはや誰かいるよ…。
ん?あれはユウナかな?
相変わらず女の子らしい格好しちゃって〜。
後ろからそぉっと近付いて驚かしちゃおうかなぁ〜?

目の前にいる女の子に後ろからそーっと近付いて肩を叩くアカシ。
『よっ!お・ひ・さ♪』
一瞬ビクッとして振り向いたのはアカシの予想通り、ユウナだった。
「あ、アカシさん!びっくりしたぁ〜!久し振り〜」
ユウナだけはあたしのこと「さん」付けで呼ぶんだよね、昔っから。
それにしてもユウナ、昔から可愛かったけど、益々磨きがかかったなぁ〜。

ユウナと女の子同士の話が盛り上がってるところに男子が一人近づいて来た。
「お?さすが実行委員!はえ〜な」
真っ黒に日焼けした肌がやけに似合ってる。
きっとコウキだとアカシは思った。

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