お嬢様、愛してます。



最初は誰に対して言っているのか分からなくて

とりあえず声がする方へ視線を移した。


するとそこには、黒いスーツをきっちりと着こなした金髪の綺麗な男性。


大きくて青く澄んだ瞳に、スッとした高い鼻、真っ白い肌。

身長も高く体もがっちりとしている。

顔立ちとその容姿からして明らか日本人ではなかった。


どこの国の人だろう?

そんな事を思いながら彼を見つめていると、



『お嬢様・・・いえ。西園寺日向様』



低音でとても落ち着いた声で、彼はニッコリ笑ってそう言った。

そして彼の口からから発せられたのは間違いなく、私の名前だった。


『え?ていうかなんで私の名前・・・』


なんて驚いているのもつかの間。




『ああ・・・会いたかった・・・!!』




気づけば、私はあっという間に彼の腕の中にいた。


さっきの彼の落ち着いた声とは全く違っていて、

今度はなんだかとても寂しそうで、少し震えた声。


そしてさっきより、ギュッと、強く私を抱きしめた。



< 8 / 8 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop