愛して。
「ほら、わかったでしょ?
鈴名は葉瑠くんのところ
行って話してきな?」
葉瑠……くん?
葉瑠って名前、
聞き覚えがある。
もしかして…………
「行ってくる…」
「うん」
梨杏瑚の隣から、
遠慮がちに葉瑠くんの
隣に座った、けど
人一人分あいてる。
「あの……」
「ん?」
「もしかして、あの時…
声、かけてくれた時の葉瑠…くん?」
あの時、
視界が霞んでて、
はっきりと顔はわからなかったけど
名前だけは、覚えてた。