指先から、アイ。
「―――ホラ、拾うぞ」
―――いつだって余裕面で、
「素直に渡しとけばよかったのにな」
何考えてるかよくわからなくて、
「……っ」
私の先を歩いてる。
私は、いつだってよくわからなくて、彼の気まぐれに付き合ってるだけ。
それが、辛くて、苦しかった。
『何で?』と問われれば、わからない。
でも、
「その気がないなら、もう私関わらないで!」
私は逃げ出した。
どうしても。
私は、我慢できなかった。
――――いつの間にか、水城くんに惹かれてた。
好きに、なってたんだ。
だから私は、こんなに辛いんだ。