指先から、アイ。
はっきりとは覚えていない。
けれど、――――金髪の、あの人。
その姿が思い浮かんだ。
そう、あれはオープンスクールの時の。
「…知らないよ」
「そこで俺、言われたんだ」
――――『また、ここで会えたらいいね』って。
その言葉を聞いた瞬間、一致した。
彼だったのか。
「それがきっかけでグレてたんだけど、足を洗って勉強に打ち込んだ。
同じクラスになった時、めちゃ嬉しかったけど覚えてないようだったからもう諦めようかと思ってたんだ」
「…っ」
「そうしたら、目の前の席になって」
ああ、もう。
言わなくていいよ。