指先から、アイ。
「――――!」
やっぱり、二度あることは三度ある、で。
『するな』といわれてしないって方が彼にはないとわかってはいたのだが。
まさか、こんなに早くしてくるとは思いもしなかったために、ビクッ、と反応してしまった。
――――これじゃ、アイツの思うつぼだ。
それは知っているのに、私は反応してしまったのだから仕方あるまい。
どうして私に絡んでくるのかがさっぱり理解できない。
だって、席が前後ろになるまでは全然関わりなんてなかったのだから。
それが、急にこんな関係になってしまって。
私自身が一番びっくりしているんだから。
「笹木、後で社会科準備室に来なさい」
――――呼び出しまで食らって、本当に良いことない。