恋人
今日は……どこへ行こう。


そのまま帰ってしまうのもなんだか味気ない。

ここからまた遠くまで足をのばしてもいい――帰りは高速を使ってもいいな。



彼女は朝起きたら、一体どんな顔をするんだろう。

初めて抱いたあの日のように、照れて顔を隠すんだろうな。


でも、幸せそうな顔で笑ってくれたらいい。

ここにきてよかった、と、言ってくれるくらいに――





うっすら目を開けると、カーテンの切れ間からは白い光がさしこんできていた。

その時の彼女は――ベッドの上に起き上がり、恐ろしくなるくらいに静かな瞳で宙を見つめていた。



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