Ending Note


裕貴先輩が平川さんとヨリを戻した“らしい”。



そんな噂は女子のあいだであっという間に広まって。

奈瑠美は親友でもある加古川先輩をすぐに呼び出して真意を確かめてくれた。



「………実は……」



サッカー部の練習を終えたばかりの加古川先輩は、首にかけたスポーツタオルで時折、汗を拭いながら重い口調で話し始める。



「本人に訊いたら、あの花見の日に平川と会っていたらしいんだ」


「はぁっ!? なにそれ!」



ドタキャンした挙句に元カノと会っていた。

あたしの気持ちを知っているからこそ、奈瑠美は怒り心頭で問い詰める。



「あたしらとの約束よりも元カノ!? しかも、あんな酷い別れ方したくせに!? ていうか、本当にヨリ戻したの? あの2人」


「ヨリが戻ったかどうか訊いたけど、」



“分からない”



それが、裕貴先輩の答えだったらしい。



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