Ending Note


「何なのよ、“分からない”って! 裕貴先輩ってそんなに優柔不断なヤツだったの!?」


「いや、たぶんだけど……、“ヨリを戻そう”っていうはっきりした話までは出ていないってことじゃないのか?」




……でも。

裕貴先輩には少なからず“ヨリを戻したい”っていう気持ちがあるんだと思う。

そうでなければあの日、平川さんよりもお花見を選んだはずだ。



「栗沢」



奈瑠美の隣でずっと黙り込んでいたあたしに、加古川先輩が言う。



「おまえに協力してやりたかったけど……ごめん」


「………っ」



その一言が胸に突き刺さった。



“協力できない”



それは、裕貴先輩の気持ちが平川さんにあることを決定づけたものだ。



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