Ending Note
静子おばさんが帰ったあと、入れ違いで虎太郎が帰ってきて、晩御飯を食べた。
パパは残業で遅くなるらしく、3人で食卓を囲む。
「数学の瓦田ってさ、ボソボソ喋るから何言ってんのかさっぱり分かんねぇし」
「はっきり喋れ! って言ってやればいいじゃん」
あたしと同じ高校に入学した虎太郎。
1年ぶりに同じ学校に通い始めて、共通の話題が増えた。
ママはそんなあたしたちの会話を笑って聞いている。
“初恋なんか実らない”
“協力してやりたかったけど……ごめん”
どんなに笑ってみても、静子おばさんと加古川先輩の言葉は耳に残り、裕貴先輩と平川さんが肩を並べている姿が目に浮かぶ。
ママの言ったとおりだ。
グズグズしていたら他の女に……って。
たぶんママは……
今日のことを知ったら、“だから言ったでしょ?”って呆れるに違いない。