Ending Note
「……“千春、高1。初恋成就作戦、開始”?」
虎太郎が小首を傾げながら読み上げる。
今から2年前の記録。
なかなか積極的にいけなかった、あたしの初恋。
相談相手の1人でもあったママがいろいろとアドバイスしてくれたけれど、あたしは結局それを活かしきれなくて。
ここに書いてあるように、業を煮やしたママが“作戦を開始”してしまったのだ。
「ひょっとしてそれ、裕貴くんとのことか?」
「……うん」
ママが記した、あたしの記録。
その字を眺めながら、あたしは思い出す。
大好きなママとの別れが現実になりつつあった、あの日々のことを――……