Ending Note
「ねぇ、裕貴先輩? このプレゼントの山はどうするつもり?」
「へっ?」
机の上にとりあえず置かれたプレゼントの山を突きながら奈瑠美が訊く。
「彼女がいるのに他の女からもらった手編みのマフラーを首に巻いたりしないでしょうね? ていうか、だいたいなんで受け取るんですかね?」
「直接受け取った分は丁重にお断りしました」
申し訳なさそうに言う裕貴先輩に、奈瑠美は「は!?」と素っ頓狂な声をあげた。
「“直接受け取った分は”!? それってなんですか、これ以上にまだプレゼントがあったってこと!? じゃあここにあるプレゼントは?」
「いろんなところに突っ込まれてたんだよな? 靴箱やら机の中やらロッカーやら……」
冷やかすように加古川先輩が言うと、奈瑠美は憐れむような目であたしを見た。
「あんたも大変な人を彼氏にしたわね。裕貴先輩、人気があるのは知っているけど、ここまでとは……」
――本当に。
女子たちが裕貴先輩にプレゼントを渡したりすることは知っていたけれど。
集まった数がこんなにもあるなんて、付き合い始めてから初めて知った。