Ending Note
それからあたしも自分の部屋に行って着替えたあと、リビングへと向かった。
キッチンではママが夕飯の準備をしていた。
オーブンでチキンを焼いているらしく、食欲をそそるような匂いが鼻をくすぐる。
「うわー、おいしそうだなぁ」
オーブンのガラス窓から中をのぞくと、こんがりきつね色に焼けているチキンが見える。
「千春の分も一応用意しているからね」
「え、ほんとう?」
「うん。帰ってから食べれそうだったら食べて? もし無理だったら、明日の朝ごはんで食べればいいし」
「ありがとうママー」
ママが作ったごちそうを一緒に食べたかったけれど……
ごめんね、ママ。
今年はあたし、裕貴先輩を選びます。