Ending Note


キッチンでママの手伝いをしていると、「あ!」と、ママが思い出したように声をあげた。



「そうだった」



呟いたあとママはキッチンを出て行き、少ししてから戻ってきた。



「はい、これ。クリスマスプレゼント」


「………?」



キレイにラッピングされた長方形の包み。

ありがとう、と言って、あたしは丁寧に開けていく。



「これ……」



中に入っていたのは、ママが愛用していた小粒のパールが1つ付いているネックレスだった。



「くれるの!? だってママ、あたしがハタチになってからって……」



驚いた。

このネックレスはママがおばあちゃんから譲り受けたものだ。


あたしが気に入って「ちょうだい」と何度かお願いするたびに、ママは「大人になってから」と断り続けていたのに。



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