Ending Note
「こ、こんばんは」
ぺこりと頭を下げて顔を上げると、おじさんはにこにこ笑いながら、「よろしくね」と言ってくれた。
クリスマスイブのラーメン屋は閑散としている。
みんなお洒落なレストランなんかに行っているんだろう。
「しかし裕ちゃん、クリスマスイブにラーメンはないだろう」
カウンターの隅に座ったあたしたちにお冷を出しながら、おじさんは苦笑する。
「あ、いえ、あたしが“ここがいい”って言ったんです」
軽く責められてる感じの裕貴先輩を庇うようにして口を挟むと、おじさんは驚いた顔をする。
「千春ちゃん、イマドキの女の子にしては珍しいねー」
「え。いや、そうですかね」
……これって褒められてるのか?
よく分からず、とりあえず笑ってみる。