Ending Note


翌朝あたしと虎太郎が朝食を食べていると、休みの日は昼頃まで寝ているパパが早く起きてきた。



「あら、おはよう。早いのね」



眠そうな目を擦りながらあくびをするパパに、ママは驚いている。



「おはよう。病院……9時からだから、それまでに家を出るぞ」



ママを病院に連れて行くというあたしとの約束を、パパがきちんと果たそうとしてくれているのが嬉しい。

しかも、早起きまでして。


いつものパパだったら、昼頃起きてそれから病院、という流れだったかもしれない。



「そんなに早くから行くの? いいじゃない、昼からで」



当の本人は面倒くさそうに眉をひそめている。



「少しでも早く受診して、結果が分かった方が安心だろ?」


「そんなさぁ……、9時に行こうが13時頃に行こうが、その差はたったの4時間じゃないの」



口を尖らせながら不満をタラタラ言うママが、「ね? 千春、虎太郎」と、あたしたちに助けを求めるけれど。



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