Ending Note
【顔色はちょっと黄色っぽい感じがしたけど、でも、すっぴんだったから余計にそう見えたのかも】
そうメールを送ったあと、裕貴先輩は大学の授業が始まるからなのか返事は来なかった。
それからあたしは、登校してきた奈瑠美にもママのことを報告した。
「そんなに浮腫みがひどいの?」
「そう。あり得ないくらいに」
ママの膨れ上がった足を思い出す。
「きっと大丈夫だよ。何か病気が見つかったとしても、あのお母さんだもん。病気の方が“勘弁してくれ”って逃げていきそう」
あたしの不安をかき消すかのように、奈瑠美は冗談を交えつつ励ましてくれる。
「そうだよね」
大丈夫。
きっと家に帰ったらママがいつものように出迎えてくれて、
“あーあぁ、時間とお金のムダ! ただの浮腫みだって。ほら娘、診察代の領収書”
なんて言いながら、あたしに代金を請求するんだろうな。