Ending Note


今日は裕貴先輩がうちに来ない日だ。

朝あたしがメールを送ったきり、裕貴先輩からの返信はない。

きっと今日はいろいろと忙しいのだろう。



授業が終わると、あたしは全速力で教室を出る。



「あ、姉ちゃん」



靴箱のところで偶然、虎太郎に会った。



「あれ? あんたも今帰るところ? これから塾?」


「いや、塾はサボる。母さんのことが気になって」



多少、体調が悪くても塾に通っていた虎太郎が、これほどまでにママのことを心配しているなんて。



「うん、そうだね。きっともう、帰って来てるはずだから」



あたしと虎太郎は急いで家に向かった。




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