Ending Note


「ただいま!」



勢いよくドアを開けると、キッチンからガチャガチャと騒がしい物音が聞こえる。


いつものようにママの出迎えはなかったけれど、たぶんキッチンで夕飯の支度でもしているのだろう。



「ママ!」


「母さん?」



あたしと虎太郎がほぼ同時に声をかけながらキッチンを覗くと。



「おう、おかえり」



キッチンに立っていたのは、エプロン姿のパパだった。



「……ママは?」



恐る恐る聞くあたしに、パパはあっけらかんとした顔で答える。



「いやーそれがさぁ、検査しても原因がはっきり分からんってことで、入院になったんだよ」


「入院!?」



あたしと虎太郎の、素っ頓狂な声が重なる。



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