Ending Note
小学生の時はフツウの男の子だった先輩。
ママの言う、“超イケメン”の面影は少しはあったかなぁ…という程度で、当時、女子たちに人気があったわけでもなかった。
あの頃だったら、あたし、積極的にいけていたかもしれない。
なのに。
あたしが中学に入学して久しぶりに先輩を見たとき、びっくりした。
成長期とはいえ背がかなり高くなっていて、学ランを着ているせいかどことなく雰囲気も大人びていて。
サッカー部の練習で体を鍛えているからか、小学生の頃より少し痩せたけれど、それもまた健康的な痩せ方だった。
もうこの時点で、“フツウの男子”から“イケメン”。
そこで止まってしまえばよかったのに。
先輩の勢いは止まらず、年を追うごとにカッコよくなってしまって。
高校に入学してみたらビックリ。
“桜井裕貴”という男を知らない女生徒はいない、というくらいの存在。
先輩は“超イケメン”の世界にいってしまって、とうとう、あたしの指先すら届かない存在になってしまった。