Ending Note


深刻そうなパパの表情に、ドクリと心臓が嫌な音を立てた。


しばらく黙り込んだ後、意を決したかのようにパパが口を開く。



「お母さんの病気だけどな……、肝臓ガンだって」


「――――――っ!?」



肝臓……ガン?


ママが――?



不気味なほどの静寂が訪れる。

あたしも虎太郎も、言葉が出て来ない。



「……治るのか?」



ようやく言葉を発したのは虎太郎だった。



「……末期の、肝臓ガンだそうだ」


「末期………」



愕然とした。


だって、入院するまでは、ささいな症状以外はいたって元気だったのだから。



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