Ending Note
「手術は? あぁ、ほらあれ、肝臓移植とか。あたしの肝臓を取ってもいいよ?」
「姉ちゃんの型が合わなかったら、俺のでもいいし」
そうだよ。
末期であっても、健康な肝臓を移植すればいいだけの話。
あたしも虎太郎も軽く考えていた。
でも事態は、ひどく深刻なものだった。
「手術もできない。抗がん剤も投与できない。それくらいにまで悪くなっているんだ」
「……そんな……」
聞きたいけど、聞けない。
それは虎太郎も同じ。
そう、ママの余命――……
いまのパパの言葉を聞くまでは、末期といっても、余命が2~3年はあるだろうと漠然と考えていた。
でも、手術も抗がん剤の投与もできないくらいに悪いってことは……。
ママの余命は……1年、くらい?