Ending Note
「……あたし、売店でパン買ってくる」
「付き合おうではないか、親友」
食べかけのから揚げをお弁当箱に戻し、奈瑠美も一緒に売店に付き合ってくれた。
お昼の売店は、人気商品の焼きそばパンをめぐって熾烈な争奪戦が繰り広げられている。
それはまるで夕方のスーパーで行われるタイムセールと同じだ。
幸いなことに、あたしは焼きそばパンよりもサンドイッチの方が好き。
野菜たっぷりのコールスローサラダを挟んだ、この売店オリジナルの、とてもシンプルなサンドイッチ。
「あ、まだいっぱいある」
「千春好きだねー、それ」
あまり人気がないのか、サンドイッチは完売とはほど遠い数が残っている。
「2つ買おー」
言って、サンドイッチに手を伸ばしたとき、大きな手が横からニュッと出てきた。