Ending Note
――その2日後。
あたしと裕貴先輩は、付き合い始めてちょうど1年を迎えた。
その日は家庭教師の日じゃなかったから、学校に迎えに来た裕貴先輩と一緒にカラオケに直行。
何曲も、何曲も、交替で歌い続けた。
カラオケを始めて1時間が経った頃だったと思う。
テーブルに置いていたスマホがブルブルと震えた。
そっと手に取ると、電話の相手は虎太郎。
「誰?」
そう訊いてきた裕貴先輩に、あたしは言う。
「知らない。間違い電話だよ」