Ending Note
「……すぐに連絡したら葬儀の日程やら会場を訊かれるわけだから……、家族葬を望んでるってことか?」
「家族葬……」
葬儀の件についても書いてあるかもしれない。
そう思ったあたしたちは、ページをぱらぱらと捲る。
「あ、これじゃない? 虎太郎。……えぇと、“メモリードホール芝浦”?」
「芝浦……隣町か。あ、やっぱりそうだ。家族葬って書いてる」
【通夜・葬儀は身内だけの家族葬に。面倒だったら、死んですぐに火葬場へGO!】
「ちょ、“死んですぐに火葬場へGO!”って。ちゃんとマジメに考えてたのかな、ママ」
「まぁ……、母さんらしいよな」
悲しみにくれていたあたしたちのあいだに、自然と笑いがこぼれる。
この空気の流れはきっと、ママの策略にハマったのだろう。
泣いてばかりいるあたしたちを、少しでも元気づけようと笑いをとるつもりで、こんなふざけたことを……。