Ending Note
「ありがとうございました! ……行こう、奈瑠美」
「えっ、あっ、うん」
潔く立ち去るあたしに、奈瑠美は唖然としている。
売店のおばちゃんにサンドイッチ2個分のお金200円を払い終えて、教室に戻る途中、奈瑠美は案の定、言ってきた。
「あれだけ!? やっと話せたのに、たったあれだけ!?」
「……あの状況で、他に何を話せばいいのよー」
あたしだって本音を言えば、もう少し話したかった。
「“あれっ? 先輩って確か、小学校も中学校も同じでしたよね?”とかさ!」
……咄嗟に思い付く奈瑠美が羨ましい。
あたしなんて、“もっと話したい”ってだけで、会話すら思いつかない。
「……奈瑠美さん」
「なによ」
「今度、こういうことがあった時のために、裕貴先輩と話す内容を箇条書きにしてください」