Ending Note
――千春、虎太郎。
謎だらけの宝探しはどうでしたか? 少しは落ち着きましたか?
私が死んで大泣きしているだろうと思って、気分転換の意味も込めてこんなことをしてみました。
(もし、大泣きどころか大喜びだったら、それは大変失礼しました)
ここにあるすべての箱を開けたあなたたちが、いま一番分からないことは、おそらく私が精密検査を受けなかったことでしょう。
(精密検査のことは、お父さんから聞いているよね?)
実は、隣町の、これまで行ったことのない病院で精密検査を受けました。
そのときに、腫瘍が悪性であることが分かりました。
レベルはステージ2。
手術をするという話が出た時に、私の頭の中に2つの分かれ道ができました。
1つは、手術をして克服する道。
もう1つは、このままスルーしようという道。
私は迷わず、後者を選びました。
肝臓ガンは、手術で取り除いても再発が多いそうです。
もしも再発して入退院を繰り返した挙句、余命宣告を受ける羽目になったら、私はきっと後悔する。……そう思ったのです。